やる気のありすぎる人たち

いま山崎豊子原作の『不毛地帯』というドラマを見ている。

元軍人の主人公に総合商社に就職し、バリバリ仕事をこなし出世していくという話だ。
主人公は元大本営参謀という(実は私も詳しくはわからないのだが)エリート中のエリート。
商社の社長からの熱烈なアプローチにより入社するも、はじめは仕事を覚えるのに苦労する。


「棚から何かを下ろすという連絡が入りました」
「なんだ、それは?」
「さあ、私にも何がなんだか……」
「……それは棚卸し(たなおろし)のことじゃないのか!?」
「そうでしたか。すみません」

と物凄いダメな感じなのだが(笑)、次第に才能をめきめきとあらわしていく。


一方で、里井専務という男がいて、やがて主人公のライバルとなっていく。
この里井専務がすごい。一度は病気で一線を退くも、大事な商談となると、貞子のように床を這ってでも会社に行こうとする。
「あなたはご自分の体と社長の椅子のどちらが大事なのですか!?」と絶叫しながら止める妻に「お前にわかるか!」と一蹴。


山崎豊子ドラマを見ていていつも思うのだが、みんなのやる気がすごい。
日曜になるたびに月曜がくるのが嫌だといっている人と同じサラリーマンという仕事をしているとは思えない。
彼らは取締役だからやる気があるのではない。あのやる気があったから取締役まで出世したのだろう。
仕事が他人に担当になり、ホッと楽をしたと思う人もいれば、悔しくて絶叫する人もいる。
世の中にはいろんな人がいる。
ただ、あんな異常なやる気のあるのがいたら、ちょっと頑張るといった程度では全然だめだということを身をもって理解させられる。


不毛地帯(一) (新潮文庫)

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ちなみに私の祖父もロシア帰りの商社マンだ。

松屋の価値はスピード提供にあり

今日また松屋に行ってきた。
例によって、ミニ盛はないので、並盛を注文。
すると、1分も経たずに、牛丼が私のテーブルの前に置かれた。
物凄い早さだ。
なるほど、牛丼屋にサラリーマンが多いのはこういうわけか。
実は値段だけではなく提供時間も松屋の魅力だったのだ。

つい先日、あまり時間がないなかパスタを食べに行った。
時間がないといっても私の中では、充分に時間はあったのだが、料理が思ったよりもなかなか出てこなかった。
結果として、1300円のボンゴレを2分で食べるハメになった。

そんなことがあっただけに、牛丼のスピード提供には感動した。


ただ、あの殺伐とした雰囲気だけはどうにかならないのか。
私は怖がりなので、客が私の他に3人いたらもう入らない。
だから夜中か夕方の、ほとんど客がいない状態でしか入らない。

今のところいくつかまわった中では、すき家が比較的、店内が綺麗で入りやすい気がする。
ちなみに一番殺伐としているのは松屋だ。



時間をお金で買う技術―成功者だけがひそかに実践している

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時間をお金で買うことも時には必要となるが、松屋は実に安価で時間が売られている。どんどん買うべきだろう。

街にゴミ箱がないから街がゴミ箱になるのだ

だいたい街にゴミ箱が少なすぎる。

この間、歩いていたら、急にプリンが食べたくなったので、ローソンでプリンを購入した。

ちょうどコンビニの前にベンチがあったので、一休みというわけで、そこでプリンを食べることにしたのだ。

だから、袋は断った。これが間違いだった。ゴミ箱がないのだ。


店員に尋ねてもゴミ箱はないとはっきりと言われてしまった。
ゴミ箱がないとはどういう了見だ。
家に帰るまで私はこのプリンのゴミを片手に1日過ごさなくてはいけないのか。
このまま大手町のオフィスにプリンのゴミを持っていけというのか。
これから得意先に謝罪に行くというのに、これを持っていけというのか。

頭を下げる前にそのプリン下げろ、ばかやろう! と言われたらどうするんだ。


私の会社は大手町にはないし、これから得意先に謝罪に行くわけではない。
時給800円のアルバイトを終えて、家に帰るところだから、たしかに家に持って帰ればいい。
だが、そういう問題ではないのだ。

もしも、私が、大手町に向かう途中だったどうするんだということを言っているのだ。


そんなことをぶつぶつ考えながら、10分ほど炎天下の中をゴミ箱を探すために徘徊し、結果、ファミリマートのゴミ箱に捨ててきた。

ローソンはダメで、ファミリマートはすごいと言いたいところだが、ファミリマートのゴミ箱はゴミで溢れかえり、周辺にゴミを撒き散らしていた。
おそらくこれが続いた結果、ゴミ箱が撤去されていったのだろう。


なんてことはない、店員がきちんと片づけないからだ。


街にゴミ箱を増やしてください。


乱反射

乱反射

街にゴミ箱を増やさないと、人が死ぬような気がする。

「空気を読むこと」は大切だ

経済学者のケインズの有名な言葉に、「投機は美人コンテストの入賞者当てゲームのようなものだ」というものがある。

美人コンテストの入賞者をあてるには、美人を選ぶのではなく、みんなが美人だと思う人を選ばなくてはいけない。投機も同じだということだ。
つまり、株を買うのであれば、自分がいいと思う株を買うよりも、みんながいいと思うであろう株を買った方がいいということだ。


みんながいいと思うものを嗅ぎわける能力というのは結構大事で、これが決定に欠けていたりすると、株式市場どころか小学校から、こてんぱんにのされてしまう。

意外と、人生で大事な能力というのは、みんながどう思っているか、がなんとなくわかる能力なのではないかと思ったりもする。「空気を読む」とはまさにそういうことだ。


小学校なんて「空気を読む」軍隊のようなところですよね。

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)

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これは講談社新書の中でもかなりの名著だと思うな。

松屋でミニ牛丼を食べる奴はバカだ

この間、松屋に行く機会があった。

松屋じゃなくてすき屋だったかもしれない。
私とよく話している人はわかるだろうから、今後は省略するけれど、私が松屋といえば牛丼屋全般をさし、ツタヤと言えばビデオレンタル店全般をさす。
だから、ウォークマンipodの一部だし、モスバーガーマクドナルドの一部だ。


その松屋で牛丼が250円(ぐらい)だった。
並盛だ。私はそれほど空腹でなかったし、並盛を食べてしまうとお腹いっぱいになってしまいそうだからミニ牛丼にしようと思った。

ミニ牛丼というのは、並盛が結構な量があるのに対してずいぶんと小さくなる。
それなのに値段はあまり変わらない。
なんと200円もするのだ(もっとするかもしれない)。

つまり、松屋でミニ牛丼を食べる奴はバカだということだ。


そもそも、こういう店はなんでも大きいサイズが得をするようになっている。
マクドナルドもポテトのSサイズが5本くらいしか入っていないのに対して、Lサイズは食べているうちに、残ったポテトが時間の経過によりどんどんまずくなっていくぐらいの分量がある。
それなのに値段はほとんど変わらない。

だから、結論からいえば、なんでも一番大きいサイズにしてしまうのが得だ。

しかし、松屋となるとそうはいかない。
大盛なんかとても食べられないし、並盛も食べている途中で気持ち悪くなってしまう。だからといって、ミニサイズはバカらしい。ミニ牛丼だけは食べたくない。


朝までお酒を飲んだ帰りに、みんなで松屋二行くことになった松屋でこんなことを考えながら、券売機をにらみつけていると、連れの(男子)学生(しかも運動部)が、「ボク、気分が悪いのでミニにします」といって、あっさりミニを選んでいった。

なんとなく、私もミニにした。

そして、ミニ牛丼は適量だった。



スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

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みのり先生の就活アドバイス

なぜか就職に関するアドバイスを求められることが多い。

私は就職活動なんか一度もしたことないけど、雑談も兼ねて、大学生に何かと尋ねられることが多い。
もっとも、当の本人は、相談どころか「またあいつ変なこと言ってるよ」くらいに思っているのかもしれない。


前に聞かれたのは、「志望動機」を聞かれた後に「この会社を選んだ理由」を聞かれのだが、どうすればよかったのか、ということ。
彼に言わせれば、こんなのは同じ質問じゃないか、というわけだ。

それを聞いていた別の学生が、「志望動機」は業界を目指した理由、次の質問はその中で、その会社を選んだ理由だと言っていた。

つまり「志望動機」を聞かれたら金融業界を志望する理由を答え、「この会社を選んだ理由」では、具体的になぜUFJ銀行にしたかということを答えろということだ。

これは違うと思う。

というか、この質問が続く時点で、その面接はダメだと思う。


面接官の思っていることとしては、こんなところだろう。

まず「志望動機」を聞いてみたが、どうも意味がわからない。すごいネタを隠しもっているのかもしれないから、もう一度、言葉を換えて「志望動機」を聞いてやるか。せいぜいこんなところではないのだろうか。

要は、「この会社を選んだ理由」というのは、「お前の回答はつまらないから、もう1チャンスやる。これでだめなら消えろ」ということではないか。


最初に「志望動機」を聞いて、「私は銀行が世界を救うと思っているからです」とかとんでもない答えが返ってきたら、「え? え? それ、どういうこと? もっと教えてよ」となるはずだ。
こんな突飛でなくても、「私の夢は、私の考えた金融商品を売りだすことです。実はもう考えてあるんです。こんなこんなこんな……」と具体的に何かいえば、「それ儲かるの?」とか話が掘り下がるはずだ。


「志望動機は?」、「わが社を選んだ理由は?」、「大学でがんばったことは?」という質問の流れは、何も掘り下がってないっていうことだ。

つまりこれは、それまで面接官の興味をしめすようなことをなにひとつ言えてないっていうことだ。


「次、xx番。名前は?」

岩崎弥太郎です」

「まじでwwwwそれ、うちで採用されなかったら、他厳しいよ」

「はい、だから今日は本気です」

盛り上がってる会話ってこうやって、いきなり掘り下げられるわけだ。名前の次に、別の質問がきたら、とりあえず名前には興味を示されなかったっていうことだ。
名前に興味があれば、名前の話が続く。
興味というのはそういうものだ。


合コンでも同じだ。
「趣味は?」「どこ住んでるの?」「血液型は?」こうやって話題だけがひろがっていく会話というのは盛り上がってない会話の典型例だ。


豪商 岩崎弥太郎の生涯 暁の群像 上 (文春文庫)

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ジムの話もいよいよ終わりにしようじゃないか

ジムネタもいよいよ最終回にするつもりだ。

最後は「へえ!」と思わず言ってしまうようなトリビアを披露しておわることにしよう。これで今日からモテモテだ。

今日のネタはこれ。


会費が高いフィットネスクラブと、そうでないクラブの違いは何か。


どうだ、気になるだろう。


ここでいう会費が高いフィットネスクラブ、つまり高級フィットネスクラブというのは、入会金が100万近くし、特に宣伝もなく金持ちのマダムからマダムへひっそりと伝えられるようなところのことである。

こういうフィットネスクラブは何がすごいのか。


実は高級フィットネスクラブとそうでないクラブの違いは、ロッカーとロッカーの間隔である。


安いところは、ロッカーが小さいので、人とぶつかりそうになりながら着替えなければならない。

フィットネスクラブには風呂がついているから、ロッカーの前で裸にならなければならない。ロッカーの間隔がせまいと裸のマッチョがぎゅうぎゅう詰めにされて、ぺちぺちと肌が触れ合うことを考えると実にグロテスクだ。高級クラブではそんなことないというわけだ。

高いか安いかは実はレッスン内容やマシンの質にはまったく関係がないというわけだ。

もっとも、私はそのプライベートな空間の幅には充分お金を払う価値があると思うが、このへんの感覚は人それぞれ違うようだ。


さて、明日から何の話をしよう。



仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (幻冬舎新書)

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