みのり先生の就活アドバイス
なぜか就職に関するアドバイスを求められることが多い。
私は就職活動なんか一度もしたことないけど、雑談も兼ねて、大学生に何かと尋ねられることが多い。
もっとも、当の本人は、相談どころか「またあいつ変なこと言ってるよ」くらいに思っているのかもしれない。
前に聞かれたのは、「志望動機」を聞かれた後に「この会社を選んだ理由」を聞かれのだが、どうすればよかったのか、ということ。
彼に言わせれば、こんなのは同じ質問じゃないか、というわけだ。
それを聞いていた別の学生が、「志望動機」は業界を目指した理由、次の質問はその中で、その会社を選んだ理由だと言っていた。
つまり「志望動機」を聞かれたら金融業界を志望する理由を答え、「この会社を選んだ理由」では、具体的になぜUFJ銀行にしたかということを答えろということだ。
これは違うと思う。
というか、この質問が続く時点で、その面接はダメだと思う。
面接官の思っていることとしては、こんなところだろう。
まず「志望動機」を聞いてみたが、どうも意味がわからない。すごいネタを隠しもっているのかもしれないから、もう一度、言葉を換えて「志望動機」を聞いてやるか。せいぜいこんなところではないのだろうか。
要は、「この会社を選んだ理由」というのは、「お前の回答はつまらないから、もう1チャンスやる。これでだめなら消えろ」ということではないか。
最初に「志望動機」を聞いて、「私は銀行が世界を救うと思っているからです」とかとんでもない答えが返ってきたら、「え? え? それ、どういうこと? もっと教えてよ」となるはずだ。
こんな突飛でなくても、「私の夢は、私の考えた金融商品を売りだすことです。実はもう考えてあるんです。こんなこんなこんな……」と具体的に何かいえば、「それ儲かるの?」とか話が掘り下がるはずだ。
「志望動機は?」、「わが社を選んだ理由は?」、「大学でがんばったことは?」という質問の流れは、何も掘り下がってないっていうことだ。
つまりこれは、それまで面接官の興味をしめすようなことをなにひとつ言えてないっていうことだ。
「次、xx番。名前は?」
「岩崎弥太郎です」
「まじでwwwwそれ、うちで採用されなかったら、他厳しいよ」
「はい、だから今日は本気です」
盛り上がってる会話ってこうやって、いきなり掘り下げられるわけだ。名前の次に、別の質問がきたら、とりあえず名前には興味を示されなかったっていうことだ。
名前に興味があれば、名前の話が続く。
興味というのはそういうものだ。
合コンでも同じだ。
「趣味は?」「どこ住んでるの?」「血液型は?」こうやって話題だけがひろがっていく会話というのは盛り上がってない会話の典型例だ。
- 作者: 南條範夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/01/08
- メディア: 文庫
- クリック: 15回
- この商品を含むブログ (4件) を見る