整理整頓

シレンは持ち物の数が限られています。
シレン5では3ページ分しかモノを持てません。
そこで、保存の壺を使って持てるアイテムを増やすことになります。
ところが、この保存の壺、拾ったらとりあえず使うから持っておくと持ち物が全て保存の壺で埋まってしまいます。
そうすると、モノを拾うたびに保存の壺に収納する手間がかかって非常に面倒になります。
保存の壺がいっぱいなら諦めがつくのですが、アイテム欄が保存の壺で埋まっているのにも関わらず、肝心の保存の壺の中身が空だったりするのです。
気合い入れてフル装備でダンジョンに向かうならともかく、武器を育てに軽くダンジョンに入るときにこんな状態では、せっかく道中にアイテムが落ちていても拾うことができません。
保存の壺には用途別に名前をつけるのが普通です。多くの人は「おにぎり」、「かいふく」、「ぴんち」、「うりとばすもの」、「たいまつ」と分けているのではないかと思います。
ところが、「かいふく」や「ぴんち」は武器を育てるときには必要ないはずです。
こういう余計な壺を持っていると、貴重なアイテムも拾えない。
拾っても保存の壺にいれっぱなしで、装備してみてプラス補正があるか確認しない。
そうするとマゼルンが出てきたときに慌てて試してみることになります。
そういう時に限って、盾が呪われていて、顔面蒼白になります。あれよあれよという間に何もかも失ってしまう。
持ち物には常に空きスペースをもっていないと、こういうことになってしまうのです。
整理できていないということです。

整理整頓ってよくいいますね。
整理というのは空きを作ることなんですね。シレンでいうと、モノを拾うスペースを用意することです。
整頓というのは風来のシレンでいうとセレクトボタンです。順番を適切な並びにすることで、使いやすくするのです。

部屋もオフィスのデスクもセレクトボタンひとつで整頓してくれればラクなものですが、そういうわけにはいきません。
昔のゲームのように(シレン最初から一発で並びかえてくれましたが)ひとつひとつ手動で並びかえなきゃいけないのです。
整理の意義はわかるとして、整頓はそもそも何のためにするのでしょうか。
ここでわかりやすい例を挙げましょう。
麻雀では、最初の配牌がおわったら、理牌(リーパイ)をしますね。これが整頓なのです。整頓とは、理牌なのです。
理牌をしないとどうなるか。待ち牌がわからなくなります。
厳密にはわからなくなるのではなく、待ちが複雑になったときに、待ちのうちのいくつかを見逃します。
つまり、こういうことです。
整頓をしないと、チャンスを見逃すのです。
仕事で、「キミ、あの書類どこにやった?」こんなことを聞かれます。
「えーと、えーと、いま探すので待っててください」
これは、たとえば、理牌なしで筒子の染め手で待っているときに、筒子が捨てられたときと同じです。
「あれ? これあがりかな。ちょ、ちょっと待って」
そう言っている間に次の人が捨ててしまうのです。
あとで、あがってたと気付いても遅い。これはもうあがれません。麻雀はそういうルールなのです。
麻雀に限らず普段の生活でもそうなのです。一度捨てられたチャンスで、ロンをするのはダメなのです。


再び、話をオフィスに戻して。
書類を慌てて探しているところに、別の人がサッと書類を渡してしまいます。
その直後に書類が見つかる。
「あ、ありました!!」
これはもう遅いですよね。そのロンは無効どころか、チョンボなのです。

ところで、整理と整頓はどういう関係なのでしょうか。
整理ができていない状態というのはシレンでいうところのアイテム欄がモノで一杯の状態です。そこでいい武器を拾った(正確には上に乗っただけですね)。カタナ+3です。合成の壺を持っているので、いま装備してるどうたぬき+33に合成したい。
そういうときにどうするか。
モノを道端に置くんです。
整理ができていない状態では、新しく買ったものは地べたに置くしかないんです。
新しい本を買っては部屋の床に積み上げている。これは整理がされていなくて、空きがないからです。
空きがないとどうなるか。
好きな人が、ねえ『xxっていうアーティストに最近ハマっててさ』なんて言うのです。そういう時に限って(笑)。
「あ、それ持ってるよ。貸してあげるよ」
「ほんとにぃ〜? じゃあ今から行ってもいいかな?」
「いいよいいよ」
腹の底から雄たけびがあがります。夢にまでみた「連れ込み」。
一人暮らしをした甲斐があったというものです。
家の前まで来たのはいいものの、部屋が汚いので、家に入れられません。仕方なく玄関先で待っててもらいます。
ところが、肝心のCDが見つからない。あるのは確かなのに見つからない。探しても探しても、見つからない。
夢中で探しているうちに、1時間以上経過しています。
冬の寒い中、好きな人を1時間も待たせてしまったのです。
携帯を見るとメールがきています。

「見つからないみたいだからまた今度ね」


整理は整頓の前提。整頓をしないと、チャンスが逃げていくのです。