希望する人は期待しない

希望とよく似た言葉に期待というものがあります。
どちらも未来に対する心の動きです。
この両者の違いはなんでしょう。


ここでひとつ例を出してみます。
デートの約束をようやく取り付けて、いよいよ今日はデートの日になりました。
ところが、待ち合わせの時間になっても、彼女がやってこない。
「あれ? どうしたんだろう?」
とりあえず、彼女にメールをします。
すると、彼女からこんなメールが届きます。
「ごめん、いま起きた! すぐに行くから待ってて」
彼女の駅は、秩父の山奥ですから、ハチ公までくるのに2時間はかかりそうです。
いやいや、それどころか準備の時間を考えると3時間はかかります。
待ち合わせは18時だとしたら、3時間遅れで21時です。彼女の家は秩父の山奥なので、終電もすごく早い。彼女の遅刻によってデートの時間がたったの15分になってしまいました。15分では、ハチ公で待ち合わせて、予約していた店の前で遅刻を謝罪をしはじめた頃には解散です。
そこまで考えて、あなたはため息と共にメールを送ります。
「時間がないからまた今度にしよう」
こうして二人のデートは永遠に実現しないのでした。

こういったシチュエーションを経験したことのある男性諸君は多いでしょう。
ここで、待ちぼうけを食らった方は怒りと共に落胆をします。
なぜか。彼女が当然に時間通りにくることを期待してしまっていたからなのです。
期待をしなければ落胆もなかったのです。


ここに希望と期待の明確な違いがあります。
両者は似ているようで、驚く状況が違うのです。
期待は、失敗に驚きます。希望は、成功に驚きます。

私は、待ち合わせをしても相手がこないものとして準備をします。だからデートだろうが何だろうが、いつでもたくさんの本を鞄に詰め込んで待っています。
ドタキャンが入っても、「しめしめ、そうくると思ったわい……」と喫茶店に入って、いつも通りの日曜日を過ごすのです。


希望をする人は、休みの日をドタキャンによって潰されないのです。