仕事の数え方

仕事っていうのは最低限やるべきことっていうのがあると思うんですね。
コンビニの仕事でいえば、レジを打つというのは最低限の仕事ですね。他にも届いたおにぎりを店に並べたりするのも仕事のうちです。
仕事というのは職業よりも小さい概念で、例えば、コピーを取れと言われたら、コピーをとるのがとりあえずの自分に与えられた仕事ということになりますね。
例えば100部コピーをとれと言われたら100部コピーをとるのが仕事です。
こういった仕事は、任された以上(あるいはお金をもらっている以上)、やるのが当然で、やらないと怒られますし、やっておけば怒られません。
このような「やって当然で、やらないと義務を放棄したとみなされる」義務をカントは完全義務と呼び、「やらなかったからといって誰からも責められないが、やると称讃される」不完全義務と区別しました。この不完全義務というのが、こなすと自分に快をもたらすことになるんですね。称讃されるというのは誰しも気持ちのいいものです。たとえ、誰かも称讃されなかったとしても、自分は与えられた義務以上の仕事をしたぞ、というのはひとつ気持ちがいいものなんですね。
ですから、仕事を与えられたときに、当然それはやるとして、それ以上に何をやるか。こういう考え方をすると、仕事もやる気がでて楽しくなってくるのではないかと思うわけです。
このような不完全義務の仕事は完全義務の上に成り立っています。コピーをとるついでに、コピー機のまわりのゴミを捨てておくことは不完全義務ですが、ゴミだけ捨てても怒られるに決まっています。ですからこの場合のゴミ捨ては、コピーをすでにとっているということが前提にあります。
今日という日を振り返って、自分はいくつ仕事をしたかなと数えるときに完全義務を数えても仕方ありません。不完全義務を数えるのです。これが0だと、何の仕事もしていないことになります。別にこの仕事は自分でなくてもよかったのです。仕事をふたつかみっつやって、はじめてその人に頼む価値がある。頼まれるだけのことをやったと言えるわけですね。
やる気のない人、仕事ができない人というのは、完全義務で自分の仕事を数えるわけです。やる気のある人は、不完全義務で数えます。
勉強も同じで、宿題や復習を勉強時間にカウントしているようでは全然ダメなんですね。そういったやって当たり前のカウントせずに、今日は1時間半やった。そういう人が成績が伸びていく。

今日はいくつ仕事をしたか数えてみよう。