銀行預金の下ろし方に性格がでる

銀行預金の下ろし方というのは、なかなかおもしろいもので、その人の性格が出るところがあります。
私の知人に、銀行預金は必ず端数を切る形で下ろすという人がいます。
例えば、10万円の預金があるところに、7万5千円のバイト代が入った。その後に、財布を補充するつもりで少し下ろそうと考える。ほしいのは3万円程度だとしたら、そこで、3万5000円下ろすのです。そうすると、残高はぴったり14万円になります。
その人が言うには、ぴったりの金額ではないと気持ちが悪いそうです。一見、不良っぽい見た目の人なのですが、意外と几帳面な性格なのかなと推測できます。

一方で私はその逆で、端数を敢えてあわせない下ろし方をします。15万円あったところから2万円程度のお金がほしいと思ったら2万1千円下ろします。そうすると残りが12万9千円になります。こうすることで、もう残りは12万円しかないぞ! と思うようにしてあるのです。

また、9000円下ろすと1万円札以外のお札が出てくることになります。たいていお金を下ろすときというのは、「今から飲みにいこう!」というようにこれからお金を使う用事があるときです。1万円札というのは、そういうとき基本的に役に立たない。
みんなでお酒を飲んで、三人で1万3千円。一人が二万円出して会計を済ませて、帰りのエレベーターに向かう途中で「一人4000円ね」とうと、残りの人が一斉に一万円札を出して、一瞬沈黙してしまう。こういうことは非常によくある。
ちょっとスタバでコーヒー飲もうかなと思っても、会計のときに1万円札を出すことになります。
そういったときに9000円下ろしてあると、手元に1000円札があるので大変重宝します。
逆に言えば、敢えて万単位で下ろすことで、スタバに寄らないように仕向けるという考え方もできます。
9000円で下ろす私の下ろし方は消費に向かっています。いわば、私の下ろし方は使う工夫です。万単位で下ろす私の知人は消費に向かわないようにしているのかもしれません。これは使わない工夫です。

いずれにせよ、銀行預金も少しだけ先のことを考えて下ろす。こういった日常の工夫が智慧となっていくのではないでしょうか。