話しかけてみる

話すことと話しかけることって根本的に違うんですね。
多くの人は話すことは好きですが、話しかけることは好きではありません。
合コンでも、ナンパでも難しいのは一番最初に話しかけることです。そのあと、楽しく盛り上がるのは誰でもできます。
だから、ナンパでいえば、海にみんなでいって知り合いが話しかけて、それ乗じて話すというのが一番楽な方法です。
逆に、話しかけたものの、他の人が盛り上がってしまって、結果として自分は話しかけただけで終わってしまった。これは労力の割に最悪です。
ですが、この最悪の役回りというのはみんながわかっていることですから、一番必要とされます。次に海にいこうというときに、その人をメンバーにいれないことには話がはじまらないくらいです。
話しかけられる人になるには、トレーニングが必要です。どこで話しかけるトレーニングをしたらいいか。どこでもいいのですが比較的、話してもそう不自然でない場所というのが幾つかあります。
例えば、ベンチがあって、その前に灰皿がある。そうすると煙草を吸う人が集まってきます。その中で必ずといっていいほど、ポケットを必死にまさぐっているのがいます。何をしているのでしょうか。昨日行ったキャバレーでもらった名刺を探しているのでしょうか。そうではありません。ライターを探しているのです。これはほぼ間違いありません。煙草を吸う人は普通、ライターをもっています。だから、「ライター貸しましょうか?」と言えばいいのです。中には、ポケットを明らかに探しているのに、誰も声をかけず、結局その人が近くの売店でライターを買うときもあります。そのときに周りの人に足りないのは、親切心ではなく、勇気です。もっといえば、話しかける技術、能力です。それがないがために忘れ物をしてしまった人に100円使わせてしまったのです。

次に新幹線や飛行機の中も比較的話しかけやすいと思います。乗ってすぐ、荷物をガサガサしてるときに、何か一言を声をかえることができる。かけられる言葉がなければ、「どちらまで?」と聞けばいいのです。
私もこの間、新幹線に乗って、横の(窓側の座席の)人が、イヤホンで音楽を聴いていたんですね。それで私は本を読もうと思ったのですが、なんとなく周りが荷物をいれたりバタバタと落ちつかないので、本を閉じて、窓の景色をみたんです。そうすると、必然的に横の人の方を向くことになります(私は通路側の席なので)。
そうしたら、横の人が、自分の方を見てきたのかと思ったらしく、イヤホンを外して、「すみません、うるさいですか?」と聞いてきたんですね。
私は音漏れは全然気にならないですし、そもそもその人のイヤホンから音漏れもしていませんでしたから、「いえいえ、全然うるさくないですよ。それに音漏れは特に気にならないのでどんどん聴いちゃってください」と言って、それをきっかけに少しだけ話をしたんですね。やっぱり最初に少し事務的な会話をするだけでも会話をする雰囲気って生まれると思うんですね。

話しかけられる、これだけで色々なところで重宝される人材になっていく。これは間違ないと思うので、みなさんもぜひチャンスがあれば、チャレンジしてみてください。