遅刻早退自由

私が人と遊ぶときに、昔から決めていて、今の今まで継続しているルールの中で、「遅刻自由」というのがあります。
待ち合わせの時に遅刻をしてもいいのです。これを作ったのは、高校に入りたての頃でしたから、忙しくなった今では、なんとなく全員が時間を守るようになっていますが、遅刻をしてもそれを責める人はいません。
このルールを作った理由として、当初私が考えていたのは、誰かの僅かな遅刻で全体の雰囲気が悪くなる。その雰囲気のまま集合して遊びに行くようなことだけは避けたいというものでした。遅刻が自由なのですから、10分待つという発想はありません。大勢の待ち合わせでも3人くらい集まったら、もう出発してしまいます。待つのは、その場でお喋りが盛り上がったときだけです。
2人で待ち合わせをしているときも、相手がいつ来るかわかりませんから、本をもっていったり、とにかく時間を無駄にしないために準備しておく必要があります。ゲームができないのにゲームセンターにいってもおもしろくありませんから、ゲームもうまくなくてはだめです。暑い日に外で待つのも苦痛ですから、周囲の喫茶店を把握しなくてはなりません。遅刻自由によって強い自主性が養われるのです。
また同様に、「早退自由」という原則があります。先のとあわせて「遅刻早退自由」です。用事があって早く切り上げるときに、丁寧に一人一人挨拶する人がいます。しかし、私から言わせれば、そういうのはエラーなんですね。一人が帰ると、「じゃあ僕も、私も」なんていう風にどんどん人数が減ります。帰るなら勝手に帰ってほしいのです。
また、遅刻自由のルールからわかるように、その頃の私たちは時間を湯水のように無駄遣いする付き合ってはいけないダメ集団だったんですね。だからせめて、時間を大切にする人の邪魔はしたくない、もっといえば、一緒にいてつまらないなら切り上げて構わないよという配慮もあるのです。だから帰るときに用件をいいません。いちいち帰る人に用件を聞くのは野暮なのです。つまらなかったから帰った、そう思っておけばいいのです。

しかし、一番の目的は、私が遅刻をしたときに、誰にも文句を言われたくありませんし、用事もなく早く帰りたいときに誰にも引き留められたくなかったのです。
ほんの少しのわがままのために全力でシステムを作り上げよう。