お金を借りよう

前回は困った時に人の手を借りられないという話をしました。
それに関連して、ひとつ皆さんに薦めたいのが、人からお金を借りることです。
一般に人からお金を借りることはあまりよくない事とみなされます。お金の貸し借りはよくないと私も親から言われました。
ところが、私は小さいときからよく人にお金を貸していました。お金の使い道があまりなかったので、必要そうな人に貸していたのです。そうすると、色んなことがわかります。お金をきちんと返す人、返さない人がいることがわかります。少し増やして返してくれる人もいますし、別の形でお礼をしてくれる人もいます。回数をこなしていくと、この人はお金を返さないだろうなというのもだんだんとわかってきます。
これはお金を貸す側のメリットです。
では、お金を借りるメリットは何でしょうか。お金を頻繁に借り続けるには信用が第一です。一度でも踏み倒すと、曖昧な理由で貸し渋られます。賢い詐欺師は借りたお金を踏み倒す前に、何度か少額のお金を借りて、きちんと返します。そうして、信頼を築いていくのです。この人なら大丈夫だろうと思わせたところで、ドカンと大金を借りてとんずらをするのです。
次に、お金を借り続けると、お金を借りることに慣れます。お金を借り慣れていないと、お金に困った時に、「貸してくれ」と言えません。なんだかとても恥ずかしいことのような気がするのです。そこで、お金を借り慣れていない人はどうするかというと、コンピューターからお金を借りることになります。人に頼みごとをするというのはそのぐらい抵抗があることなのです。ですからサラ金のお世話にならないためにも、逆説的ではありますが、若いころからたくさんお金を借りて、しっかり返していくというプロセスが大切なのです。