名作に出会うと作家になりたくなる

私が通っているマッサージのお店があって、担当の人が決まっています。
担当の人は、ムキムキの熊のような男性で、趣味もパワーリフティングときてる。
マッサージをされているときは雑談もしますから、パワーリフティングの話をしたり、筋トレの何が楽しいのかとか、あとは私のくだらない話に付き合って頂いたりするわけです。その中で、この間は映画の話になったんですね。休日はビデオ鑑賞などをなさるという話を伺ったので、それから派生した話題。
最近観た映画でおもしろいのはあったかと聞かれたので、アリス(アリスインワンダーランド)がよかったと言ったんです。そろそろDVD化されるんじゃないか。でも3Dメガネがないと、あんまりおもしろくないかもしれないだとかそんな話をしたわけです。
で、今度は私は「じゃあお薦めありますか」って聞いてみた。
そうしたら、「仁義なき戦いがおもしろいですよ」っていうんです。
アリスを薦める患者に対して、仁義なき戦い。こういうところがもうセンスあるんですねー。その後に続けて、こう言います。
「あれを見ると自分が強くなった気がして、無駄にガニ股でそのへんを歩いてみたり、広島弁を使ってみたりするんですよ」

これで、もうこの映画絶対おもしろいなって私は思いましたね。絶対借りよう、コレ! って思いました。
任侠に興味があるとかないとかそういう問題ではないのです。

私は本を読むのが好きですから、今までたくさんの本(小説)を読んだことがあります。
その中で、めちゃくちゃおもしろいものは30冊に1冊。そのめちゃくちゃおもしろいっていうのはどういう本かっていうと、読んだ後に確実に影響を受けます。
例えば、恋愛小説だったら恋がしたくなる。恋愛映画を意中の人と観に行くといいのと同じですね。世直しをするような小説だったら、世直しをしたくなる。金属バットを持って、国会に行ってこようかとなる。
さらに、影響を受けるとどうなるか。自分が本を書きたくなる。作家になりたくなる。で、何を書くかというと、自分の考えたオリジナルの壮大な物語……なんですけど、なぜかさっき読んだ本とプロットが妙に似通っている(笑)。

そういう本だとか映画に数多く出会えたら、その人は幸せだったといえるでしょう。というよりもそこまで影響を受けてしまったら、もうどんなに不幸でも幸せになるほかないですよ。不幸のどん底で、一人ヒューマジムを感じて勝手に盛り上がっちゃう(笑)。

というわけで、映画でも何でも大きく影響を受けるようなものを探してみるといいですよ。ワールドカップが終わってから、意味もなく道端でフリーキックをしてる人も多いはず。