トラブルに慣れよう

みんなでどこかに遊びに行ったら、電車の切符をなくす人が一人はいるものです。大慌てでみんなで探しても見つからない。「大体普段から……」なんて非難めいた言葉も出来て、雰囲気が悪くなる。そこで優しいのが一人くらいいて、「いい思い出になったじゃない」なんて無理やり納めようとする。
小中学校で卒業旅行なんかディズニーランドに行ったりするとこんなことが往々にしてあります。
切符をなくしたら、どうしたらいいか。
まず王道はお金を払うことです。お金を払いたくないから慌ててるんだろうと言われるかもしれませんが、せっかくの旅行が険悪な雰囲気になるよりずっとマシです。
次に、駅員さんに事情を説明して泣き落としをして出してもらう。その次は電車に乗ることはできたのだから後は降りるだけということで、駅員の隙をついてうまいことすりぬけてしまう。例えば、友達二人が切符をもっているなら、改札の前後を友達で固めてひょいと抜けることもできるでしょう。
切符をなくしてパニックになるのは切符をなくしたことがないからです。
普段から切符をなくしていればパニックにはならない。パニックになると頭がそれでいっぱいになってしまって気遣いをする余裕がなくなって言葉の端々が乱暴になります。そうすると全体の雰囲気が険悪になる。普段から切符をなくしていればこうはならない。

私が前に友達と電車にのったら切符をなくしてしまった。
「ごめん、切符をなくしちゃったからあっちの駅員さんのいるほうからでるね」
「仕方ねえなあ、じゃあ先に出て待ってるよ」と友人。
ところが、友人が自動改札から出てくると既に私が出て待っている。
「お前、なんで切符なくしたのに、自動改札より早く出てるんだよ」
いつも切符をなくすから、値段も手順も全部わかっているので、超速で駅から出られるのです。
トラブルが起きても、トラブルのない人よりも早く手続きが済むくらい慣れてしまえばよいのです。