たまには何もやらない

小学校で先生が、「明日テストをします」っていうと、「エーっ」という声があがります。ところが、勉強のできる人は「ふふん、また称讃を浴びるときがやってきたか、みっちり勉強しておこう」と思っているのです。
「エーっ」という声をきいて、みんなテストが嫌なのか、よかったよかったと思っているのは愚か者だけです。
勉強ができない人もテストは嫌だとは思っていません。試験中は何をしていても、先生に注意されないから、不真面目な生徒もテストは決して嫌ではないのです。寝ていればいい。「しめしめ、明日はテストか。今日は徹夜でゲームをしてテストがあっという間に終わるように準備しておこう」と思っているのです。深夜バスにのる前日とテストの前日は彼らにとっては同じなのです。
一番バカなのは、試験前にみんなと一緒に「エーっ」と叫んで、「どうしようどうしよう」と意味もなく慌てて、試験前は試験が不安だから朝まで電話して、一応の努力したことにして結局、中途半端な点数をとって、みんなと一緒に「試験結果が悪かった、やばい」と言ってる人です。
こういう人は一生勉強をしませんし、一生働きません。
みんなが働く歳になったら、スーツを着て社会人のコスプレをします。仕事中も、言われたことをやって、たまに怒られて、社会人は大変だとぼやいています。怒られていることを我慢することが給料の対価だと思っているのです。

しかし、私たちは誰しもがそういう側面を持っています。私も色々なおままごとをしてきました。何も考えないとおままごとになってしまいます。完全にやる気のない態度を見せると周りは冷たくなります。逆に妙なやる気を出しても周りは冷たくなります。だから、うまくやっていくにはおままごとをするしかない。それをしているうちに「社会ってそうだよなあ」とか妙な納得をしはじめて、日々がんばっているような勘違いをはじめてしまう。

おままごとから抜け出すには実に簡単です。
いまやっていることをやるのかやらないのか決めるのです。
試験に備えて勉強するのか、全部寝るのか決めるのです。試験中、意味もなくペンを回しながら、時計を眺めるようなことだけはしてはいけないのです。