人生をあまり深刻に考えない

一度きりだと思うとなんでも緊張してしまうものです。
みんなでカラオケに行くことになった。なんとなく雰囲気で一人一回は歌わなきゃいけない。いよいよ一人ずつ歌い終わって残るのは私一人となった。こういう緊張は普段カラオケに行かない人の緊張です。たまのカラオケだから、いよいよ自分の番かと緊張してしまうのです。
普段からよくカラオケに行く人はよくあることなので、自分だけまだ歌っていないというような不自然な状況をなんとも思いません。

スピーチなんかそうです。普段やらないからいざやれとなると「貴重な体験」となってしまい、緊張してしまう。これが職業的に毎日スピーチをしなきゃいけない人だと、スピーチが日々のこなしているもののひとつにしか過ぎないわけですからだいぶ違うわけです。

よく一度きりの人生というように、人生は一度きりと考えられています。一度きりだから何もかもが緊張の連続で疲れてしまうのです。これでもし人生が何度もあったら一体どうするのですか。とても体がもちません。人生はあまり深刻に受け止めないほうがいいのです。それでいて何度やってもいいように楽しいほうがいい。

「これが人生か! ならばもう一度!」(『ツァラトゥストラかく語りき』・ニーチェ)。