眠ってる間に社会がよくなっている

私はもう結構長いこと昼夜逆転生活をしているんですね。
でも、寝る時に部屋が明るいのはすごく嫌なので、朝日が入ってくる直前くらいに布団に入るんです。
そのぐらいの時間に眠ると、新聞配達のバイクの音が聞こえます。これが実に心地よい。
私が寝ているときに、他の人が働いているのです。社会が動いているのです。
これなら寝ていても安心です。
私は安心に包まれて眠っているのです。
私が起きる頃には、新聞がしっかり届き、街に電灯が灯り、家の前に置いておいたゴミはしっかり回収されているのです。
私が寝ている間に、社会がしっかり機能し、それどころかより社会が向上さえしているのです。

会社勤めになり、いよいよ偉くなりポストが与えられると、今度は自分だけでなく部下の仕事を管理しなくてはなりません。
そのため、彼らは寝ていても自分の部下がきちんと仕事をしているか不安で不安で仕方がないようです。
夜に寝つけない人の多くは心配事の多い人です。
私は明け方寝るので、もう働いている人を耳で感じることができますが、彼らは普通の人が寝るような時間に寝るので、働いている人を感じることはできません。
多くの人は住宅街に住んでいますが、住宅街は早朝に働いている人はいても、夜に働いている人はいません。営業の外回りもゴミの回収も夜にはやってきません。
だから不安になってしまいます。
しかし、今では社会は24時間休み続けることなく向上しています。
夜から働いてる人もいます。一人暮らしでアパートに住んでいた頃を思い出して下さい。夜に出ていく綺麗なお姉さんがいたでしょう。綺麗なお姉さんは夜になったら、向かいの部屋のあなたにお疲れ様と言っています。そして、「いよいよ私の出番か」とキャバレーに向かっていくのです。朝になって綺麗なお姉さんが疲れきって帰ってきたら、今度はあなたの出番です。

綺麗なお姉さんが休憩している間に働くのです。家でトドのように転がっている妻のために働くのではありません。
働いている人同士はみんなチームメイトです。綺麗なお姉さんもあなたも同じチームメイトです。
朝になったら、「いよいよ、俺の出番か、待ち遠しくて昨日の晩は眠れなかったよ」そう言いながら、颯爽と出ていきましょう。