なぜ今日も明るいのか

プレゼントは贈られるよりも贈った方が嬉しいものです。
相手のことを考えて、プレゼントを選ぶ時間は至福の時間でしょう。
物凄い仲良しならアッと言わせてやろうと幾らか奮発するかもしれません。
義務ではなく、心の裡から喜ばせてあげたいと思う相手は、疑うことなくその人のことが好きですし、愛があります。
性別だとか恋愛の問題ではありません。
では、贈られた方はどうかといえば、こちらも嬉しいはずです。どちらも嬉しいという状態をプレゼントはもたらします。

プレゼントをあげる時、普通プレゼントを買ったその場であげたりなんかしません。それは何かをあげたというより奢ってあげただけです。
彼氏と自分の誕生日にデートしたときのことを考えてみてください。会計の時になるといつも腹痛が起きトイレに行く彼が、今日は不思議と腹の調子がいいのかトイレに行きません。勘定も済ませてくれたようです。おごってくれたので「ご馳走様です」と言うと、「これ、キミの誕生日プレゼントね」といいます。
これはがっかりします。何も言わずご馳走してくれた方がずっといいというものです。これはプレゼントではありません。どうしてかといえば、支払いと同時にプレゼントをあげているからです。
これがもし、予約をとってあり、バースデーケーキでも出てきたりしたら感動します。プレゼントといえます。

女性に貢いでしまう人は、その場で「プレゼント」をあげてしまいます。一緒にヴィトンの店に「デート」をして、ヴィトンの鞄を「プレゼント」してしまいます。それもボーナス払いで。魂のプレゼントです。毎日毎日朝から晩まで働いたその業績を、報酬を、すべて「プレゼント」にしてしまったのです。
しかし、女性は男には感動しません。歓声はあがりますが、それはヴィトンへの賛美です。ようやく手に入ったヴィトンの鞄。彼女の瞳の輝きはヴィトンにのみ向けられています――あなたという財布を使ってようやく手にしたヴィトンにです!!

もしこれが、昨日買っておいたヴィトンを誕生日にあわせて花と一緒にどこかで渡したとしたらどうでしょうか。
女性は必ず喜びます。あなたと、ヴィトンの鞄と、突然の僥倖に!!

このように同時にあげるのはプレゼントとしては大変よくありません。逆に重く感じさせないのが目的であれば、同時に買ってあげることがポイントです。余談ですが、恋愛関係は初期は同時に何でも買ってあげた方がよいですが、後半は時間をおいて、財布を出す時間とプレゼントの時間を離した方が懸命です。逆をすると、合計の出費額は同じでも「釣った魚にエサはやらない」と言われてしまいます。

今日は「なぜ今日も明るいのか」というタイトルがついています。ですが、プレゼントの話をしました。「プレゼントをあげよう」。たしかにあげたほうがいいです。あげたほうが希望に喜びに幸せに溢れた生活が送れます。しかし、それは私の言いたいことではありません。今回の記事で言いたいことはハッキリと決まっていますが、結論を急がずにゆっくり話しましょう。得てして、永遠の真理というのはありふれたものです。
それゆえ、少しくらい面倒くさい構図にしないと、なァんだとなって心の中に入ってこないものです。
物事を教えるときに、トップにあわせる先生とビリにあわせる先生がいます。トップにあわせる先生の講義の方がずっと質がいいです。しかし、私はビリにあわせます。ビリにあわせてもいいのです。大学の講義と異なり、コマ数は無限にあります。ゆっくりやろうではないですか。