はじめての合コン02/1章

1章 合コン当日の段取り

1-1.合コン当日
前置きが長かった気がしますが、合コンがはじまったら、とりあえず待ち合わせをしますよね。
30分でいいですから、早めに待ち合わせて自チーム内のミーティングをしましょう。
幹事ならこれは必須です。また自分が参加者に過ぎない場合は仲のいい一人か二人を誘って、よく話し合っておきましょう。二人が機能すれば、後はどうであれば合コンは成功します。ですから、あなたともう一人、合コンを成功へと導く密かな野心をもった人を誘ってみましょう。
話しあうことは第一に成功への決意です。これがないと、急に及び腰になって拗ねた小学生のように反抗する者が出てきます。これは幹事の方や他の参加者に大変失礼な行為ですし、何よりこれをやると合コンに誘われなくなります。
というか合コンが失敗するパターンは仲間のエラーです。仲間が急に及び腰になり、反抗的な態度をとることで合コンが寒い雰囲気となります。ですから、こういう裏切り者を出さないようにすることが合コンを失敗させない最大のコツです。
次に、具体的に爆弾処理の対処方法や、このコだけは譲ってくれという女性が現れたケースのサインを決めておきます。
まあ色々姦計を練るよりは、ちょっと早めに会って、「頑張ろうね!」と気合いを入れるだけでいいでしょう。

1-2.待ち合わせ
待ち合わせをすると、お互い顔を見ますね。それから店に向かいます。この店に向かう時間というのは、男女が見事に別れいい感じに寒くて、苦戦を予感させます。ですが、気にすることはありません。まだ会ったばかりなのですから気にすることはありません。もちろんこの段階で喋りながら、移動したほうがいいのですが、ここで喋らなかったからといって気にすることはありません。
先ほど早めに会った友人と小声で、誰が爆弾なのかをはっきりさせておきましょう。
それから歩いてるときは必ず女性を前に置きます。第一に女性は歩く速度が遅いので、男性が前に歩くとどんどん差が開いていくことになってしまいます。第二に女性が前であれば一方的に凝視できます。洋服の特徴を頭に叩き込んで、どういう風に褒めるか考えましょう。集中しなくてはならない時間です。

1-3.店の入り口
終わることのないように感じられた寒いだけの時間も過ぎ、ようやく店に着きました。
店に着くと雰囲気が少し話しやすくなります。下駄箱なんかがあれば、靴を脱ぎながら話したりしますよね。妙なエスコートは不要です。会ってまだ話してもないのに、ブーツを脱ぐのを手伝ってあげるというのは変態のやることです。そういうことをするのではなく、思い切って話しかけてみましょう。「来るまで何をしていたんですか?」とかでもいいですし、さっきこんなことがあったとか言うのもいいでしょう(あらかじめ考えておくんですよ!)。私がお薦めしたいのは洋服を褒めることです。
女性は、どんなに不満たらたらに合コンに参加しても、ちゃっかりお洒落をしてきます。ですから、全員がベストに近い洋服できているわけです。だから褒めてあげましょう。気合いが入ってるなんて失礼な言い方しちゃダメですよ。その服お洒落ですねとか可愛いですねとか言えばいいんです。勇気がなくて話しかけられないなら、友達に大声で「あのワンピース可愛いなあ!」って言います。それで友達が「そうでもないよ」とかいったら、彼はもう戦力外なので、合コンが終わるまで無視をしましょう。腐った果物がひとつあると、周りもどんどん腐っていきます。ですから、もう腐っている彼に構うよりも他の人を腐らせないように気をつけましょう。
やる気を失うことは合コンにおける最大のエラーです。これだけは心得ておくこと。

1-4.座席
合コンにおいて座席はとても重要です。左右の人が一番話しますから、左右がみな男では困ります。構図としても集団でお見合いをしているようで不気味です。しかし、何も考えずに席に座ると、女性は女性と離れたがらないので、こういう配置になります。確実に。
ですから、ここは幹事が意図的に座席を変化させなくてはなりませんが、幹事がヘボいとやはり不気味なお見合いポジションになってしまいます。
そこで、幾つかの対策を講じておく必要があります。
まず自然なものとして、座席に向かうまでに女性と話すことで、入る時点で男グループと女グループという集団を崩しておくことです。
もうひとつは、自分の前後にいる同性に向かって、「お前あっちな」といって自分が座る座席の対の席に座らせること。それと似たもので、男とは別の列に座ること(あるいは女の列に座る)。これは座席に入る順位が2番目から4番目ではないとできませんからそのへんのポジショニングを狙うのもひとつのコツです。
次はもうあからさまに「お見合いじゃ、寒いから席決めをしよう!」ということです。誰だって本当は異性と仲良くしたいのですから、これは反対されません。反対する人は脱落者です。気にすることはありません。
後はそうですね、「喫煙席はこっちね」といって喫煙/禁煙という区分にするのも一見すると気をきかせているようで戦略的です。ただ喫煙者が全員男だと、偏ってしまいますが、それでも喫煙しない男がもっとも外側にいれば、女性を囲んで話ができるので、それほど悪くない配置になります。

1-4.最悪の座席になってしまった場合
対策も虚しく完全なお見合い型になってしまったらその合コンはもう失敗したといっても同然です。
ですが、まだ終わりではありません。
まず、全員が席についたところで、「さて、まずは席を決めますか」とさも席替えが当然のように切り出すことです。もうひとつは適当な女性に向かって、「あの人の横がいいから席変えてくれよ」ということです。これはなかなかの猛者ですが、やればまず成功します。やるならエース役が爆弾を名指しするのがいいでしょう(つまりイケメンがブサイクの横を指定する)。
後は自然に直す方法もあります。トイレに行って、元の席に戻るのではなくもっとも出口側の席に戻るのです。トイレに行った人が元の席に戻るのはよくないことです。意図的にトイレにいった人の席は詰めましょう。荷物があってもどかしてしまってください。これができるのとできないのでは合コンの成否にだいぶ影響を及ぼします。

1-5.自己紹介
多くの合コンでは、自己紹介があります。自己紹介というのはもうやる他ありません。女性では「私はいいよ」と言って断固拒否する人もいますが、はっきり言って寒いです。こういうエラーはしないこと。どうしても嫌なのであれば、自己紹介したくないことを事前に友達に申告して、友達に二人分自己紹介してもらいましょう。とにかく、「いい(NO)」とか「嫌」とかそういう言葉全てNGです。なんでも、「やろうやろう」と言いましょう。嫌ならそれから断ってください。
自己紹介は私の数少ない経験によれば、自己紹介は、実に50%に近い確率で行われます。ですから、あらかじめ何を言うか考えておきましょう。よほど物凄いプロフィールを持っている人なら淡々と言えばいいかもしれませんが、普通の人は一工夫しなくてはなりません。就職活動ではないのですから、気合いを入れる必要もありません。名前に一言添えればいいだけです。その一言というのが難しい。「趣味は漫画とゲームです」というのは寒い。趣味が寒いのではなく、言ってることが寒い。「三菱商事の自動車部に勤めていますゴウダです」っていうのも寒い。今から仕事するのかよって感じじゃないですか。それに会社って意外とみんな知りませんよ。声高に、「俺はJPモルガンだぁっ! こないだのボーナス1億だ!!」とか「俺は警察庁で働いてる警視正だっ、この胸に輝く下品な金ぴかのバッヂを見よ!」と叫んでみても、案外知らないものです。金融に興味のない人なら、「JPモルガンってなんだっけ?」「ほら、ストⅡに出てくるあの緑の髪の」「ストⅡじゃなくてなんとかセイバーじゃない?」「ああ、それそれ」なんてなってしまいます。警察もそうです。「警視正って偉いの?」「湾岸署の3バカの一人がそうじゃなかった」「ああ、あれか」となってしまいます。

そこで、最近の話をします。作り話でもいいです。自然に話し、自己紹介が終わった直後にその話題になるような話し方がベストです。
ひとつ例を出しましょう。
「こんにちは〜。ゴウダタケシです。最近ビデオ見てて、昨日はAge35〜恋しくて〜っていうのを見たんですよ。知ってます? 不倫ものなんですけど、あれを見て僕も不倫したいなあとか思ってるんですよ(一同笑)。テーマソングがシャ乱Qなんですけど、こないだシャ乱Qの曲たくさん借りちゃいましたよ。あと一昨日はメメントっていう映画を観ました。ストーリーがよくわかんなくて5回も見直したんですけど、やっぱりわからない(一同笑)。まあ適当にビデオとか呼んでください」
こうやって文字に書くと恐ろしいほど寒いんですが、この自己紹介は次の話題につなげやすいです。まず「Age35」、「シャ乱Q」、「ドラマ」、「映画」、「メメント」とたくさん話題をふってます。この中で、Age35を知ってる人がいれば、知ってる、知ってる〜ってなるでしょ。「ええ〜、シャ乱Qよくないって」「いや、ドラマ見てないからそんなこというんだって!」とこんな風に盛り上がるかもしれない。だからたくさん話題を出すことが大事。盛り上がったらもうそこで自己紹介なんか中止でいいんですよ。名前なんてそのうちわかるでしょ。
別にAge35を最近見てなくたっていいんですよ。見たことがあれば、全部「昨日」見たことにすればいい。求められている正確な情報ではなく、話題のきっかけです。
先月フラれたにしても、「昨日」フラれたことにして、別に泣いてないけど、「ポルノグラフィティの歌を聴いて号泣」したことにすればいい。こうやってキーとなる鍵を増やします。

1-6.注文
注文の時にアルコールを飲まないのは(私はそうは思いませんが)一般に寒いことです。ですから、お酒を飲めない人が躊躇なくウーロン茶を頼めるようにノンアルコールを頼む人とアルコールを飲む人の配分が極端にならないように気をつけましょう(一人ノンアルコールだとなんとなく気まずいものです)。飲みたいものは二杯目から頼んでください。こういうのはチームで打ち合わせておかないと、普段酒を飲むのにコーラを頼むと、自チームからブーイングがきます。ですから、予め決めておかないとなかなか成功しません。
もっとも最近は酒を飲まなくても別に寒くはないようですから、それほど気を使う必要はないかもしれませんが、こういった気の配り方は大切です。少なくとも自分がされたら嫌なことをするのはやめましょう。それが気遣いというものです。
それから、迷ってる人がいることもあるので、待たせている感じを出さないようにしましょう。特に男は全員一致の生ビールで一瞬で決まってしまうことが多いので、このへんは気をつけましょう。明らかに迷っている女性がいれば、自分も迷いましょう。
あとは私の経験上、いきなりワインやウィスキーを頼むことは変な目で見られるので避けておいたほうが無難でしょう。
これは私だけかもしれませんが、喉が渇いてるからといって乾杯前にうっかり飲んでしまわないように気をつけてくださいね(笑)。