SMの理論

SMというのは振り子の関係と言われ、ハードSの人はハードMの役もできるのです。
そうだとしたら、重要なことはSなのかMなのかということではなく、どの程度までSなのか、あるいはMなのかという話になってきます。
SMに限らず、何かに人生を捧げていた人が、突然、他のことに人生を捧げてしまうことがあります。
例えば、新約聖書にはサウロというユダヤ教の男が出てきて、キリスト教徒を片っ端から牢屋にぶち込んでいきます。それがある日、突然、キリスト教徒になり熱心な伝道者となっていきます。彼の名は今も聖パウロとして、世界中にとどろいています。
俳優の宇梶剛士さんという人も、もともとブラックエンペラーという悪名高い暴走族の総長です。それが、俳優になってしまう。
そう考えますと、大切なのは向いてる方向の正確さではなく、いま自分が向いている方向への情熱、ひたむきさではないかと思うのです。
そのひたむきさだけが、方向を180度転換したときに継承されうる財産なのではないでしょうか。
今日のひたむきさが、明日に継承される。