ジェイソンがいないところ

友達でスプラッター映画が好きな人がいるんです。一緒に映画に行くといつもスプラッター映画を借りています。
スプラッター映画っていうのは、『13日の金曜日』が代表的ですが、血がドバーって出たりする激しいホラー映画のことです。ジェイソンだとかフレディだとかああいうのが出てくるやつです。
日本人でスプラッター映画が好きな人は珍しい感じがします。私の知ってる人でスプラッターが好きという人はその人だけです。
日本でスプラッターが流行らないのは、ああいう何も通じない怪物みたいなのにリアリティがないと思うんですね。一体こいつは何を考えてるんだみたいなそういうのがいない。マンションの横に知らない人が住んでてもいきなり入ってきて殺されるとは思わない。せいぜい干しておいた安いパンツが盗られるかもしれないとかその程度なんですね。
私たちはそういうところで生きていますから、集団の中で目立つのは比較的簡単です。人と違うことをすればいい。みんなでランチを食べにいったところで、デザートを頼んでみる。
それだけで、なんだあいつは……ってなっちゃうんです。
だからジェイソンぐらい変だともうわけわかんなくて全然リアリティがない。リアリティがないとホラーがやすっぽく感じてしまう。日本人にとって、チェーンソーを振り回すっていうのは、テレビの画面からお化けが出てくることよりありえないんですね。

たまにはびっくりするようなことをして友達を驚かせてみましょう。
「10分程度ならまだしも、1時間も遅刻!? Ahhhhhhhh!!!!」みたいな(笑)。

何をしでかすかわからないジェイソンになってみよう。