ガラガラ蛇

今日は王道のカーネギー『道は開ける』より大好きなエピソードをひとつ紹介させて頂きます。

ある農夫が農場を手に入れたんですね。
ところが行ってみてびっくり。その土地はやせ細っていて果樹の栽培も養豚もできない。ガラガラ蛇がいるだけなのでした。そこで彼はそのガラガラ蛇をとりあえずやっつけて、その肉を缶詰にしたのです。さらにガラガラ蛇の牙出る猛毒をとって研究所に送りつけて抗毒剤にしたのです。さらに皮も剥いで、ハンドバックにしてしまった。気がつけばその村の名前は「フロリダ州ガラガラ蛇村」となっている。そのガラガラ蛇村にはなんと年間に二万人も観光客がくるんだとか。

まあこんな感じの話なんです。ガラガラ蛇っていうのはなんかこう寂れたところにいるんですね。村とか建物を長い年月放置することガラガラ蛇が崩れた石版の上でとぐろを巻いているみたいなそういうイメージありますよね。これじゃあ商売あがったりなのですが、なんとそのガラガラ蛇を利用してしまったというわけです。
こういうのを格言で『レモンを手に入れたらレモネードを作れ』なんて言います。レモンっていうのは、まあレモンなんですけど、よくないものっていうイメージなんですね。不快の象徴なんて言われるわけです。レモネードっていうのは飲み物なんですけど、海外版の麦茶みたいなものでしょうか。

私はこの話が結構好きで、何かあるごとに話すので、私の直接の知り合い「それもう何度も聞いたよ」と思ってるかもしれないですね(笑)。
みなさんの周りにいいことはあんまりないかもしれませんが、ガラガラ蛇は結構いるんじゃないでしょうかね。
そういうガラガラ蛇を捕まえて肉を缶詰にして皮も剥いで牙もとって使いまくるわけです。
知恵ってそういうものだと思うんですよね。

ヤクザは刑務所に入るとみっちり勉強します。閉じ込められてることを逆に利用するんですね。

そういう一見するとよくないことも案外うまく使えたりするものです。
皆さんも、どこかにガラガラ蛇はいないかとよく探してみてください。ガラガラ蛇はあまりにも見慣れすぎて風景となってしまっています。よく注意しないと気付かないものなのです。

「刑務所の鉄格子のあいだから、ふたりの男が外を見た。ひとりは泥をながめ、ひとりは星をながめた」(同著より)